動物一覧

概要

本ドキュメントは、ゲームに登場させる動物の一覧です。動物と対峙する仕組みは HuntingSystem.md が扱います。本書は「どんな動物を、どの土地に、 どんな役割で置くか」という内容面だけを扱います。

島の位置づけは東南アジア島嶼(ウォーラセア周辺)です。湿度90を狙う jungle を持つ湿潤な島という 地形の側の設定(TerrainGeneration.md)と揃えています。この位置づけの 利点は、主要な動物がいずれも在来種になり、「なぜ無人島にこれが居るのか」の説明が要らなくなることです。 イノシシ・ヤケイ・サル・オオトカゲ・ニシキヘビ・ヤシガニ・タロイモは、いずれもこの地域が原産です。

本ドキュメントは検討結果であり、確定仕様書ではありません。未決事項は 10 節に整理しています。

名前の粒度

名前は図鑑の種名ではなく日常語で付けます。 種を特定するための接頭辞のうち、生息地・色・食性・鳴き声を 表すものは落とし(ミズオオトカゲ→オオトカゲ、セキショクヤケイ→ヤケイ、カニクイザル→サル、ホエジカ→シカ、 イリエワニ→ワニ)、大きさを表すものは残します(オオトカゲ・オオコウモリ・オオムカデ・ニシキヘビ)。 前者は土地・重さの欄が既に言っているので名前に重ねる必要がなく、後者を落とすと一般名から想像される姿と 重さが食い違います。より短い日常語が無いもの(ヤシガニ・ウミガメ)はそのままです。

この島は名前も地図も無い島なので、種名を表に出すと実在の一地域に固定してしまいます。上記の位置づけは 本書の中だけに留めます。同じ名前で呼べる動物を2種類出す必要が生じたときに初めて、その2種類を区別する語を 足します。

1. 採取物と動物の境界

逃げも反撃もしないものは、動物ではなく食料アイテムとして実装します。 動物として実装する (wariness を持ち、tick ごとに手番が回る、HuntingSystem.md 2〜3 節)のは、 プレイヤーの行動に対して振る舞いを返すものだけです。

この線を引くと、既にある coconut_crab(ヤシガニ)のような「見つけて拾うだけ」の獲物は現状のままでよく、 狩猟の実装が採取物へ波及しません。2 節が採取物、3 節以降が動物です。

既存の foods.yaml の食材(ヤシガニ・タロイモ・空心菜・ベリー)は、いずれもこの島の位置づけと 整合します。ヤシガニはインド太平洋の島嶼に広く分布し、タロイモと空心菜はどちらも東南アジアが原産で 自生します(タロイモは持ち込まれた栽培種ではなく、この地域では野生形が分布する在来種です)。ベリーは 東南アジアから太平洋の島々にかけて自生するキイチゴ属の低木の実です。差し替える理由はありません。

このうち生で食べられるのは空心菜とベリーです。 タロイモはシュウ酸カルシウムの針状結晶を含み、生の 塊茎は口と喉を刺して腫れさせます(自生の野生形は栽培種より強い)。ヤシガニは 2 kg の甲殻を素手で 開けて生食する話にならず、生の甲殻類そのものも危険です。どちらも丸焼きの鎖に乗せてあり、生の側は 食べ物のタグを持ちません(FireSystem.md 1.1 節)。

ヤシガニには、加熱しても抜けない毒が別にあります。 食べたものの毒を身に溜めるため、ミフクラギ (Cerbera manghas)などを食べた個体は肉ごと有毒になり、太平洋地域では死亡例もあります。これは 「稀に当たりを引き、しかも調理では避けられない」という形なので、体調を崩す仕組みが要ります (体調を崩す道は腐敗の抽選と、生の物が抱えている菌の2つですが、調理で避けられない当たりは どちらでもまだ書けません。DigestionSystem.md 6 節)。下のカタツムリと同じ枠で、まとめて 入れるのが自然です。

2. 拾う・掘る(採取物。道具も罠も不要)

獲物 土地 重さ 得るもの 役割
ヤシガニ(実装済み) 砂浜・岩礁海岸 2 kg 肉 肉の基準。道具のいらない最初の動物性たんぱく
カニ・ヤドカリ 砂浜・岩礁海岸 300 g 肉(少) 最下層。繁殖期の大量移動を「豊漁の日」として使える
ゾウムシの幼虫 ジャングル(枯れたヤシの幹) 10 g 脂質 既存のヤシと直結する。腐った幹という「時間が作る資源」
海鳥の卵 断崖海岸・砂浜 80 g 卵 狩猟の技能なしで大量に採れる。断崖は落下の危険(怪我)を伴い、繁殖期に限られる
タコ 岩礁海岸(tide_pool 亜種) 2 kg 肉 潮だまり。素手で捕れるが岩の隙間へ逃げるため一発勝負。海の資源への入口
カタツムリ ジャングル・森 100 g 肉(少) 生食すると数週間後に発症する寄生虫を持つ。加熱の意味を、味ではなく生死で示せる

3. 小さな罠で捕れる(くくり罠=繊維・編み)

動物 土地 重さ 得るもの 危険 役割
ネズミ(実装済み) どこでも(特に拠点) 80 g 肉(極少)・毛皮 なし 罠の最小単位。罠が無い間は貯蔵食料を食い荒らす害獣で、拠点に食料を溜め始めた瞬間に敵として現れる。狩猟を始める動機を序盤に作る
ヤケイ(実装済み) 草原・ジャングル 1 kg 肉・羽・骨・卵 なし 罠で捕れる中型。危険が低いので飼いならしの学習台になる(resists が外れる最初の例)。卵が継続資源になる
海鳥 断崖海岸・砂浜 400 g 肉・羽・脂 なし 巣を襲う。卵と排他(獲るか、産ませるか)
オオコウモリ ジャングル・森・洞窟 800 g 肉 なし 木にぶら下がり、洞窟に集まる。夜行性なので時間帯が意味を持つ。棒や投石で落とす

3.1 生け捕りにした獣は、囲いで増える

飼育は、罠とまったく同じ「留守番の設備」の形に載ります——囲い(pen、farming.yaml)は 罠の檻と同じ 1 つの型です(TrapSystem.md 1.2 節)。獣を入れる枠と飼葉に 加えて、罠の見えないタイマー(catch_remaining)と、土地から継承する捕獲の重み(<動物>_catch・ miss_weight・herbivore_weight)を持ちます。増えるかどうかは獣の側が名乗ります ——breeding_remaining を宣言した動物だけが、囲いの中で飼葉を食べながら数え、尽きたところで 1 頭増えます。家畜になる獣を足しても、囲いの定義は 1 行も変わりません。

入口は 2 つあります。 1 つは生け捕りで、警戒している間はどの持ち主にも付けない(resists、 GameElementDefinition.md 7.13 節)ため、手で入れられるのは 落ち着いた個体に限られます。もう 1 つは囲い自身が捕らえる道で、空けておけば掛かります——掛かった 個体は拘束されたまま警戒を引き切り(TrapSystem.md 5 節)、そのとき既に囲いの中に居るので、 移し替えは起きません。実装済みなのはヤケイだけで、危険が低く飼いならしの学習台という役割 (3 節)が、そのまま最初の家畜になります。

4. 中型(追う・狙う)

動物 土地 重さ 得るもの 危険 役割
サル(実装済み) ジャングル・森・海岸(砂浜・岩礁・断崖) 5 kg 肉・骨・皮 低(追い詰めると噛む) 物を持ち去る(4.1 節)。罠を学習して避ける。海岸でカニを漁るためプレイヤーと資源を奪い合う。群れる
オオトカゲ ジャングル・岩場・岩礁海岸 15 kg 肉・皮(上質) 中(噛む・尾で叩く) 貯蔵を襲う側でもある中型。追い詰めると反撃し、木に登って逃げる(道を通らない逃走)
シカ 森・ジャングル 20 kg 肉(多)・皮 なし 危険ではないのに捕まえられない。逃げ足が速く罠も効きにくい → 飛び道具(投石・弓)が要る理由を作る。小型で、4人の誰でも丸ごと運べる最大の獲物(全員が heavy の段に入る、5 節)

4.1 サルの被害は「持ち去る」

被害の種類が他と違うため、サルは独立した役割を持ちます。

動物 被害 取り返せるか
ネズミ 貯蔵食料を食い荒らす ✕
イノシシ ぶつかった物を壊す ✕
サル 物を持ち去る ○(追えば取り返せる)

壊されるのではなく持っていかれるので、逃げ込んだ土地まで追う理由が生まれます。狩る側ではなく 取り返す側でも追跡が起こり、探索・移動と直結します。実現方法は HuntingSystem.md 5 節・7 節を参照してください。持ち去った物は動物の中に 入り、倒せば地面へこぼれます(同 5.1 節)。

5. 大型・危険

動物 土地 重さ 得るもの 危険 役割
イノシシ(実装済み) 森・ジャングル 60 kg 肉(大量)・皮・脂・牙 高(牙で重傷、追い詰めると反撃) 狩猟システムの基準個体。突進・追い詰め・手負いの逃走・運搬のすべてを1頭で使う。1手の配分で牙が最も太い唯一の動物で、人を恐れず落ち着いた姿で現れる唯一の動物でもある(HuntingSystem.md 3.1 節・5 節)——危険はこちらが手を出してから始まる
ニシキヘビ ジャングル・森・岩場 30 kg 肉(多)・皮(最上質) 高(締めつけで一撃の重傷) 逃げない獲物。待ち伏せ型で wariness が低いまま襲うが動きが遅く、離脱はできる。「戦うか、近づかないか」だけの純粋な判断になる
ウミガメ 砂浜(産卵で上陸) 130 kg 肉(大量)・脂・甲羅(器) 低(噛む程度) 危険はないのに最も難しい。稀・季節・夜。倒すのは容易で、運搬と腐敗だけが問題になる純粋な物流課題

丸ごと運べる線は、1つに決まりません。 通れなくなるのは too_heavy の段に入ったときで (Characters.md 荷重の効き方節)、その下限は人物ごとに違います (characters/*.yaml の load の段)。load の range.max は運べる上限ではなく、 その先にある値の天井です。

この線に照らすと、イノシシ(60 kg)とウミガメ(130 kg)はもちろん、ニシキヘビとヤギ(30 kg)も 誰にも丸ごとは担げません——最も担げる担ぎ手でも、ちょうど too_heavy の下限に乗ります (tests/world-codex/loadEffects.test.ts)。

引く道具は、この線を上げますが足りません(Containers.md 2節)。ニシキヘビとヤギは そりで丸ごと引けるようになりましたが、イノシシとウミガメはどちらでも運べません。 その場で解体するか、 何度も往復するかの判断が、重い2頭には残ります。

運べる獲物も、ただでは運べません。 4人の誰でも担げるのはシカ(20 kg)までで、それも全員が heavy の段に入り、歩みが落ちて stamina も削られます(同節。同じ検査)。往復には期限も付きます——死体も肉も腐り、その速さは同じです (HuntingSystem.md 1.5 節)。

6. 狩る価値のない危険

相手 土地 役割
オオムカデ 森・岩場(落ち葉・石の下) 20 cm 級。肉にならず、こちらが怪我を負うだけ。探索・採取の最中に遭遇する。危険と報酬が逆転している唯一の例
蚊 湿度の高い土地 動物ではなく環境効果として扱う枠。病気(GameConcept.md)の入口

7. 持ち込まれた想定が要るもの(任意)

在来ではないため、過去の人の営みや難破船を前提にする動物です。設定の負担が増えるので、必要になったら 足す扱いにします。

動物 土地 重さ 危険 役割
野生化したイヌ(群れ) 草原・森・荒地 18 kg 中〜高(複数同時) 2頭以上との対峙を体現する。単体は弱いが数で来る。傷を治して仲間にする=飼いならしの最高到達点
野生化したヤギ 山腹・断崖海岸 30 kg 低 高所でまとまった肉になる獲物。山腹・山頂にネズミしか居ない問題を埋める

8. 分布は土地の亜種で調整する

動物の出現量は、専用の仕組みを持たず既存の「発見量のつまみ」に載せます (ExplorationSystem.md 2 節)。素の重みは土地の props が持ち、亜種が 上書きします。

既に亜種 crab が crab_find を砂浜で16・岩礁海岸で24へ上書きして(素の重みは7と12)「カニの多い海岸」を表しており、insects(草原)・ birds(ジャングル)という亜種も用意されています。「鳥の多いジャングル」「サルの多い森」を、土地の種類を 増やさずに作れます。

実装済みの動物は、いずれも探索で出くわします(土地の props が持つ発見のつまみ。locations.yaml)。 分布は 3〜5 節の表どおりです。被害をもたらす側(持ち去るサル・壊すイノシシ)が混じるので、 重みは他の発見物より低く置いています (ExplorationSystem.md 2.1 節)。

罠が捕らえる相手も同じく土地の props が決めますが、つまみは別です (TrapSystem.md 3 節)。ネズミ・ヤケイが探索と罠の両方に載っていても、 罠の値打ちは変わりません——探索で出くわすのは自由に動く獣で、罠が渡すのは留守のあいだに掛かって 拘束された獲物です。

9. 今の土地構成では置けないもの

置くには土地を増やす必要があるため、動物より先に地形の判断が要ります。

動物 必要なもの 価値
ワニ 汽水域・マングローブ・河口の土地 高。島で唯一こちらが狩られる側になる存在で、危険の上限を作れる。東南アジア島嶼の設定とは極めて相性が良い
ウナギ 淡水の水面(川・沼)。現在の spring は湧き水の設置物で水面ではない 中。筌という別系統の罠になる
サメ・エイ・魚 海に入る、あるいは舟を出す行為 大。ただし狩猟とは別のシステムとして設計すべき

10. 未決事項