ゲーム内容の判断基準

個別の仕様ではなく、仕様を決めるときに効く判断軸を集めます。案が複数あって迷ったとき、ここを 見れば選べる状態を目指します。個々の確定仕様は各領域のドキュメント(world/、 engine/、ui/)が持ち、ここには書きません。

増えるのは、溜まった判断の履歴を棚卸ししたときだけです(記録の運用は CLAUDE.md の「価値観の記録」)。 形式は教訓集(DocumentStyle.md)に従い、結論を見出しに、本文は それを選ぶ理由を1〜3文で書きます。同じ基準を別の言い方で二度書かないこと——迷ったときに どちらへ従うか決められなくなります。

特別扱いを足して面白さを作らない

面白さは、単純なルールが積み重なった結果として出す(GameConcept.md の 「目指すゲーム体験」節)。個別のケースを名指しで例外扱いすれば狙った体験は作れますが、他の要素との 組み合わせでは何も生まなくなり、プレイヤーが規則から先を読む楽しみも消えます。既存の仕組みに 載らないことが、例外を作る理由にはなりません。

プレイヤーから考える時間を奪わない

急かす仕掛け(実時間の制限、反射を要求する操作)は採らない(GameConcept.md の 「コアアイデア」節)。状況を整理して最善手を組み立てる時間そのものが、この作品の遊びだからです。 緊張は制限時間ではなく、資源の枯渇や将来の悪化要因で作ります。

時間経過に任せる区間を作らない

進行が時間の経過だけで決まる区間は、その間プレイヤーにできることが無くなり、遊びが途切れます。 長さのある区間には、地上の探索と同じように関与できる余地を置きます。上の「考える時間を奪わない」と 対を成します——急かさないことと、待つだけにしないことは、どちらも要ります。

退屈な区間が見つかったとき、飛ばす仕組みを足して短く見せるのではなく、関与を足して埋めます。 飛ばす仕組みは区間をそのまま残したうえで関与をゼロに固定するので、遊びの量は増えません。

画面に出せないことを、世界の作りを変えて回避しない

世界の作りが正しくて画面がそれを出せないなら、直すのは画面のほうです。世界を画面の都合に合わせると、 その歪みは以後すべての宣言が乗る土台になります——入れ物の中に居るプレイヤーを入れ物の外へ出せば 確かに外の景色は出せますが、「中に居る」ことで成り立っていた積荷も移動も一緒に崩れます。

画面に出す形が決まっていない値は、まだ入れない

月齢のように、値としては足せるがプレイヤーがそれを読む場所がまだ無いものは、表示の形が決まる までは入れません。見えない値は、効いていることが分からないまま結果だけを変えます——「今夜は歩いて 帰れない」が、理由の分からない不運になります。上の節の裏返しで、画面に出せないなら、そもそも 世界の側にも置きません。

周期する状態を固定値で近似するなら、頻度の高いほうを採る

月齢のように現実では巡っているものを1つの値で代表させるとき、最も印象的な状態(満月)ではなく、 その状態でいる時間が長いほうを採ります。固定値は「毎回それが起きる」という意味になるので、 珍しい側を選ぶと珍しさが日常になります——月が明るいのはひと月の2割弱で、残りの8割は開けた土地でも 夜は歩けません。

置ける枠を作るかは、置いてほしい物ではなく置けてしまう物で決める

そこに何を置けるかは枠(スロット)の有無で決まり、枠があれば何でも置けます。海に物を置く枠を 作れば、魚や漂流物だけでなく石も水面に置けます。置けてはいけない物があるなら、条件で弾くのではなく 枠そのものを作りません。弾く条件は、置ける物が増えるたびに書き足す必要があり、書き忘れても 誰も気づきません。

見分けの付かない場所を作らない

生成される場所には、着いた時点で分かる違う名前を置きます。外洋や洞窟の内部は現実には見分けが 付かなくて当然ですが、道のカードは並び替わるので、名前が無ければ進んでいるのか戻っているのかすら 読めなくなります。リアルさより、盤面が読めることを採ります。

失敗の罰に、同じ作業のやり直しを課さない

罰は、その場で下す決断の苦しさとして払わせます。積んだ物を失わせて集め直させる形にすると、次の試行が 取り返す作業になり、苦痛だけが増えて判断は増えません(引き返す代償を積荷にしない、など)。周回の ロスト(GameEndings.md 8 節)は別です——あれは同じ島をやり直すのではなく、 新しい島を始めることだからです。

行き先は、行きたくなる理由と同時に作る

新しい場所へ行けるようにするときは、そこで何が得られるかを一緒に決めます。移動手段だけを先に 入れると、行っても何も無い場所へ渡るための練習になり、プレイヤーには次の遊びの準備としか映りません。 段階を踏ませたいときも、段ごとに理由(そこにしかない材料、探索で見つかるもの)を置きます。

段は、実際に足止めしたものだけを数える

理屈の上で前提になっているもの(刃物が無ければ切れない)を段と数えると、初日に越えられるものまで段に なり、段の数が遊びの量を表さなくなります。数えるのは、プレイヤーが「今はまだできない」と感じた区切り だけです。足止めになっていない前提は、段ではなく幅——同じ段でできることを増やすもの——として扱います。

足止めになるかどうかは、依存関係ではなく所要時間と距離で決まります。 前提として正しいことは、それが 関門である理由になりません。

何が足止めしているかは区間で変わるので、段の物差しも変える

開始直後に足止めしているのは労働の量ではなく、知らないことです。探索が終わっていないので次にどこへ 行けるかも、行った先に何があるかも分からず、在庫が無いので最悪を想定して動くしかありません。収支の表が 出す平均値は、どの経路も選べて期待値どおりに引ける前提の数字なので、その前提を満たしていない区間の 重さは表せません。全区間を同じ物差し(労働の量)で切ると、序盤がゼロに見えます。

生成への保証は島の顔を作る道具で、生存を成立させる道具ではない

「必ずこれを置く」は、山がある島・湖がある島といったその島が何であるかを決めるための道具です。 生きられることを成立させるために積むと、序盤の都合が地形の骨を決め、島ごとの違いがそのぶん消えます。

生存の側は、生成はそのままにして、生成された島を測り、条件を満たす地点だけを開始地点の候補にする ことで成立させます。動かすのは世界ではなく入口です。保証を使ってはいけないのではなく、生存を保証 する用途では第一選択にしません。

回避不能な死は許し、原理的に出られない島は許さない

生成の結果、その場では避けようのない死が起きるのはよい。どう遊んでもその島を出られないのは 許さない。前者は乱数の極端な結果として説明でき、「あそこで別の判断をしていれば」という筋道が 残ります。後者はその筋道が1本も無く、事故ではなく生成の不具合として読まれます。

プレイヤーは「負ける権利」を渡していますが、「勝てる島を配らない権利」までは渡していません。 出られない島が出たなら、直すのは配り方であって、難度の調整ではありません。

引きが厳しい周回は、そのまま始めさせる

生成された島が厳しくても、引き直しません。引き直すと、失敗が世界の性質ではなくプレイヤーの不運の 補正になり、同じ種から同じ島という足場も崩れます。1周回は当たり外れを含めた1回の引きで、外れを 均すのは周回をまたいだ側の仕事です。

厳しさの上限は前節が引きます——出るのが難しい島はあってよく、出られない島はありません。

乱数は、勝敗ではなく判断する状況を配る

受容の境界は、クリア不能な島がどれだけ出るかではなく、乱数と勝敗のあいだにプレイヤーの判断が 何回挟まるかです。同じ「1割は勝てない」でも、開始時に当落を引かせるのと、配られた材料で最後まで 組み立てさせるのとでは、プレイヤーにとって別のものになります。後者なら、あとから最善手でも無理 だったと判明しても構いません——遊んでいるあいだは意思決定の問題だからです。

だから乱数に決めさせてよいのは状況までで、勝敗そのものは判断の側に置きます(備えるかどうかの 判断が生まれる形は「効率は一律に下げず…」節)。

自分の手の結果は読めるようにし、読めなさは相手の側に置く

プレイヤーの行動の結果は分散を小さくし、読めなさは獣や天気のような相手の側から作ります。自分の手が 読めるから段取りが組め、相手が読めないから備え続ける理由が残ります。確率を残すなら火口の種類や 乾き具合のようにプレイヤーが動かせる要因で決め、減らしきれない失敗は2回続けて起きることがまず無い 水準まで下げます——1回の失敗には備えられても、何回失敗するか分からなければ段取りが組めないからです (作ること自体が遊びで、失敗してもよい物は例外)。

体内で増える菌は、抽選ではなく蓄積と免疫で表す

生肉を食べて腹を壊すかを、行為のたびに確率で引くか、体内の菌を溜めて免疫との勝ち負けで決めるか。 溜めるほうを採ります。 抽選は同じ判断を何度重ねても回どうしが繋がらないので、当たった回を運と してしか説明できません——溜めれば発症は「何をどれだけ続けたか」の帰結になり、間隔を空ける・免疫を 上げるといった対処がそのまま効きます。減る側(免疫)と対で置くのが前提で、上がる一方の値だけを 置くと、避ける手の無い罰になります。その場で決着する抽選——腐った物の吐き下し・獣の反撃——は、 この基準の外です。

要るものは、名指しの鍵ではなく、部分的に代替できる資源で作る

目的に要るものを「A・B・Cのどれか1つ」という型の名指しで作るか、少しずつ肩代わりできる複数の量で 作るか。後者を採ります。 名指しの鍵は、出なかったときに「3回の抽選に全部外れた」と読めます。 代替が効けば、同じ結果が「今回配られた手札では組み立てられなかった」になります。

代替は同等でなくてよく、遅い・少ない・危険でよい(「後から足す手段は、既存の手段を残す強さに 抑える」節)。最も危ないのは、鎖の段ごとに入口が1つしかないものです——島を出るのに繊維が要り、 繊維の採れる土地が1種類しかないなら、その土地の有無がそのまま当落になります。埋め方は生成へ保証を 積むことではなく、入口を増やすことです(「生成への保証は…」節)。

達成に要るものを、プレイヤーへ列挙して見せない

同じ仕組みでも、「島を出るにはこの5種類のうち1つが要ります」と見せれば、出なかったときに5回の抽選に 外れたと読めます。素材と、そこにある性質だけを見せれば、プレイヤーが実際に解法を組み立てることに なります。ごまかしではありません——後者では組み立てが本当に起きている、という違いです。

到達の判定(escapeReach)は我々が生成を測るための道具で、画面に出すものではありません。

運の幅は、例外の救済ではなく分布への制約で抑える

引きの幅を残すと、幅が広すぎればただの運ゲーになります。抑え方は、厳しい島だけを個別に救済するのでは なく、生成そのものへ制約を置いて分布を締めることです。個別の救済は例外を増やし、増えた例外は誰も 数えません。分布への制約なら、効いているかどうかを1つの数字(散らばりの大きさ)で見続けられます。

制約の中身は、測ってから決めます。 どの配り方が幅を広げているかは、実測の分布を見ないと分かりません。

難易度は、数値ではなく配置の散らばりで作る

消費を上げたり敵を強くしたりして難しくすると、上手いプレイヤーにも下手なプレイヤーにも同じだけ重く なり、知識で差が付きません。 要るものが何歩先に散っているかで作れば、知っている人は最短で回り、 知らない人は回り道をします。難しさがそのまま「知っているかどうか」の差になります。

後半には、時間の経過そのものから生える圧を置く

難度を序盤の立ち上げだけで作るか、後半にも効く圧を置くか。置きます。 サバイバルは知識と設備が 積み上がるぶん後半ほど易しくなり、放っておくと危機は最初の数日だけになって、残りが作業になります。 圧は経過時間から生やし、打った対策で抑えられる形にします——抑える手が無い圧は理不尽になり、 時間で増えない圧は後半に届きません。

悪条件は、効率を下げるのではなく、できる/できないの線で効かせる

暗さのような悪条件を「作業が遅くなる」として置くと、プレイヤーは同じことを続けるだけで、増えるのは 時間だけです。できないことにすると、その日の組み立てが要ります——暗くなる前に切り上げて帰るか、 光源を持って出るか、明るいうちにしかできない仕事を先に回すか。線が引かれて初めて、締切が判断を生みます。

線を引いたら、そこから戻る道を1本だけ開けておく

できないことにするなら(前節)、戻り方を持っているかどうかがそのまま結果になるように作ります。 時間で自動的に元へ戻すと、その区間は待つだけになります(「時間経過に任せる区間を作らない」節)。逆に 戻り道を1本も開けないと、線を越えた瞬間から朝まで何もできません。

開けるのは1本で足ります。 夜の暗さに対しては、火を熾すことだけが明るさの条件を持ちません (IlluminationSystem.md 5 節)——日が落ちる前に火起こし具と火口と炉を 用意してあれば戻れて、用意していなければ戻れない。準備の有無が判断になるのは、戻り道が細いときです。

戻り道を、別の線が塞ぐことはあります。 雨の夜は屋根の下でしか火を熾せない (FireSystem.md 3.1.1 節)ので、火起こし具・火口・炉に加えて屋根のある土地に居ることまでが 「用意してあるか」に入ります。細くはなりますが、閉じてはいません——どこに居るかが判断になるだけです。

現実に単位があるものは、その単位で持つ

明るさ・重さ・温度のように現実の単位があるものは、抽象的な0〜20ではなくルクスやグラムで持ちます。 抽象値は基準が無いので、その値が正しいかを誰も確かめられません——「嵐の日中は真っ暗」のような 現実離れした設定が、誰にも検出されないまま通ります。現実の単位なら、外の知識で照合できます。

遊びの優劣が付かない分かれ道でも、現実の側を採ります。 「満月の夜に歩けるのは砂浜だけか、草原も 入るか」のように、どちらでもゲームとして成立する場面では、ゲーム側の都合で決めません。決め手が 無いところをゲームの都合で埋めると、その数字はもう外から検算できなくなります——現実を採っている 限り、後から誰でも正しさを確かめ直せます。

模型のずれは、罰の向きが正しければ許容する

現実の模型としてずれる(対数で持った菌量は、続けて食べた分の合流を過大に見る)とき、仕組みを足して 直すか、ずれたまま置くか。ずれがプレイヤーへの罰として正しい向きなら、置きます。 正確さのために 文法や値を1つ増やすと、その先の全部がそれを前提に積まれますが、ずれが罰として働く限り、遊ぶ側から 見えるもの(続けて食べるほど危ない)は正しいままだからです。

1つの原因に、複数の結果を兼ねさせない

嵐で出歩けないのは風雨のせいであって、暗いせいではありません。これを明るさの低下として表すと、 松明を持てば嵐の中を歩けることになります。 原因が違えば別の値として持ち、それぞれの対抗手段も 別々に用意します。まとめると、片方の対抗手段がもう片方にも効いてしまいます。

怪我は怪我だけ。体調不良はステータスの段で表す

壊血病を怪我のカードにすると、空腹・脱水・寝不足のマイナス効果も同じ形を求め、目に見えない病の カードを何枚も作ることになります。 そしてカードで表す不調とステータスで表す不調が混ざった時点で、 プレイヤーは新しい不調に出会うたび「これはどちらか」を確かめ直すことになります。線は身体の外から 負ったものかどうかで引き、内側で起きている不調はすべて、その原因となる値の段が持ちます。

心の不調は、行き着く先を分けずに幸福度1本へ集める

ストレス・退屈・孤独のような心の不調に、それぞれ行き着く先の値を持たせるか、幸福度1本へ集めて 代表させるか。集めます。 身体の側は終わり方ごとに値が分かれていますが(水・血・熱・蓄え)、心の側は 行き着く先が1つ——何も手につかなくなること——なので、分けても読む場所が増えるだけです。個々の原因は、 幸福度を押し引きする寄与として持ちます。

周りの事情と、身に起きていることは、別の場所に出す

暗さ・暑さ・雨のような周りの事情は、どれだけかではなく何を妨げているかが読めればよく、身体の側の値 (水分・満腹度・痛み)は減り具合そのものが判断の材料になります。同じ並びに混ぜると、プレイヤーは 新しい印を見るたびに「自分が悪いのか、居る場所が悪いのか」を確かめ直すことになり、場所を移れば済む話と、 移っても付いてくる話が見分けられません。

カードが並んで見えることを、近さの根拠にしない

カードの並びは表示であって位置ではありません。探索で見つけた木は、拠点の焚き火のそばに立っている わけではないので、そこでの作業には持って行ける光源が要ります。盤面の見た目から世界の事実を読むと、 表示の都合がそのまま仕様になります。

仕組みの前提を、プレイヤーの目的にしない

刃物と火は、無ければ水も食料も得られない本物の前提です。しかし目的として置くと、まだ何も知らない プレイヤーへ「石を探せ」と指示することになります。目的は生きる手段の確保に置き、前提はその途中で 自然に手に入る道具として配ります。前提を外すのではなく、追わせないだけです。

コストは、それを軽くする道具の値打ちそのもの

数えた結果あるコストが重すぎると出たとき、そのコストを作っている値を下げる前に、軽くする段が 効いた後を数えます。 移動が重すぎると出たとき、隣までの道のりを縮めるのは最も手近ですが、そりで 運ぶ回数を減らす段も、拠点をどこに置くかの判断も、移動が重いことを前提に置いて あります——軽くした瞬間、それらを作る理由が消えます。

重さは、それ自体が遊びではありません。 遊びになるのは「重さをどう畳むか」のほうで、コストは その選択肢に値段を付けているだけです。だから下げてよいのは、畳む手段を全部通してもなお重いとき に限ります。畳む手段を持たないコストは、ただの待ち時間です(「時間経過に任せる区間を作らない」節)。

補給の無い区間で要るものは、積ませるより現地で獲れるようにする

長い航海に要る食料を、出発前に大量に積んで腐敗と競走させるか、海の上で獲れるようにするか。 獲れるようにするほうを採ります。 海の上ならいつでもできるので保存を意識しなくてよくなり、 最初に大量に積む必要も無くなります。

代償は消さず、別の物の持ち込みへ移します。 獲る手段そのものを持って行かせれば、準備は 「腐らせずに大量に保つ」から「失えば飢えるものを1つ持つ」へ形を変えるだけで、軽くはなりません。 現地で獲れないもの——航海なら水——が唯一の縛りとして残るので、縛りは減るのではなく1本に絞られます。

ただし、現地で獲る側を「それだけで足りる」強さにはしません。 次節。

後から足す手段は、既存の手段を残す強さに抑える

同じ目的を果たす手段が2つあるとき、新しいほうを十分に効率的にするか、既存のほうが選ばれ続ける 余地を残すか。残すほうを採ります。 新しい手段だけで足りてしまえば、古いほうを選ぶ意味が消え、 手段が1つに戻ります——手段が1つなら、そこにプレイヤーの選択はありません。

判定は「両方あるか」ではなく、「古いほうを選ぶ場面が実際に残っているか」を数字で見ます。 航海の食料なら、釣りが1日ぶんを楽に賄い切る効率だと、食料を積む意味はその時点で無くなります。

手段を足すときは、既存の手段の弱体化か、どちらを選ぶかを分ける条件(腕前・環境)とセットで 入れます。 足すだけでは、強いほうへ寄せ替えるだけで選択肢は増えません。分ける条件があって初めて、 「この状況ではこちら」が生まれます。Someday.md へ積んだ保存の手段も、この形で入れることに なります。

効率は一律に下げず、事前に読めない当たりへ結びつける

現地で獲る手段が強すぎるとき、当たりの確率を一律に下げるか、当たりを出す対象を置いて、そこへ 当てたときだけ高くするか。後者を採ります。 一律に下げると、要る回数が増えるだけで「積むか 現地で獲るか」の判断は生まれません。対象へ結びつけると、その対象に出会えるかが事前には読めないぶん、 積んでおく意味がそのまま残ります。

航海の釣りなら、道具を魚の群れへ使ったときは高い確率で獲れ、群れの居ない海へ投げたときは低い確率です。 群れに出会えるかは選んだ航路で決まり、渡り切るまで確定しません。

重視しているのは、確率の大小ではなく「読めなさの出どころ」です。 同じ期待値でも、毎回の さいころで散らすのと、プレイヤーが選んだ航路の結果として散るのとでは、備えるかどうかの判断が 生まれる/生まれないが分かれます。

退屈な区間は、簡単になりすぎない範囲で短くする

やることの少ない区間(海の上など)の長さは、歯応えのために保つか、退屈さのために詰めるか。 詰めるほうを採ります。 ただし簡単になりすぎない範囲までで、短さと引き換えに難度を落とすのは 別の話です。長さそのものは歯応えの材料として数えません——同じ操作を繰り返す時間が伸びても、 増えるのは待ち時間だけで、判断は増えないからです。

難度が長さに寄りかかっているなら、先に長さ以外で歯応えを作れないかを見ます。それが済むまでは 短くできません。

長くかかるものだけ、現実の4分の1へ縮める

現実に何日かかるかをゲーム内の日数へ移すとき、そのまま置くか、縮めるか。縮めるほうを採ります—— ゲーム内の1日は、現実の1日の4倍の重みで数えます。 季節はどれも平均 30 日で移り変わる (ClimateSystem.md 2節)ので、現実の日数をそのまま置くと、 骨折ひとつが季節をまたぐことになります。骨折なら現実の6〜12週に対し、ゲーム内では長くても 14 日です。

縮めるのは、日をまたいで進む長いものだけです。 乾き・飢え・疲れのような1日の中で回るものは 現実のまま置きます。そちらまで4倍にするとゲームが成立しません——1日に4回飢える体になります。

縮めたら、同じ種類のもの同士を並べて順序を確かめます。 一部だけを縮めるので、縮めた側が 縮めなかった側を追い越して逆転する——骨折より擦り傷のほうが治りが遅い、のような崩れが、 中間の長さの帯で起きます。個別に決めた値を1か所へ集めて並べるまでは、崩れは見えません。

積(倍率)を入れず、比例も加算で表す

寄与は加算だけで書きます。 荷が重くて移動が遅くなるなら、倍率ではなく所要時間へその分を足します。 腕前で採れる量が変わるような比例も同じで、相手ごとの素の値に比例させたいことは、積を入れる理由に なりません——比例したいという要求は至る所に出るので、通せば例外ではなくなります。積が要ると 判断したときは仮決めして進まず、ユーザーの明示的な許可を取ってから入れます。

宣言の表現力は、定義がプログラムになる手前で止める

表現力の高い文法(他でも使える汎用の形)と、低いまま済ませる形のどちらを採るかでは、低いほうを 採ります。汎用性は足す理由になりません。低さは損ではなく、「移動用は+1・作業用は+11」のような 簡略化を引き出します。正しさが少し足りないことより、仕組みが1つ増えることのほうが重いので、 素朴な加算では合わない量は、文法を足すのではなく値の設計の側で吸収します。

計算式はエンジンに取っておき、宣言へ開かない

エンジンが読む側の指定が参照を受け取れることは、宣言が計算式を持ってよい根拠ではありません。 add の量に参照や積を書ける文法を yaml へ開いた瞬間、以後の全部が「参照を書けばいい」で書ける ようになります。宣言だけでは書けない寄与は、段ごとに定数を並べる形へ組み替えます。

合成の器を2つ目にしない

2つの値を合わせる必要が出たとき、その場で値を列挙して合計を取る形を足すのではなく、既にある 合成の仕組み(加算)へ乗るように関係のほうを作ります。 列挙して合計する形は小さく見えますが、 器が2つ目になり、範囲も段も付いてきません。一時的な関係が理由で乗れないなら、その関係を実際に 作ってしまうほうを採ります。

影響の宣言は、その組み合わせを知っている側に書く

2つの物が影響し合うとき、宣言は影響を与える側ではなく、その組み合わせを知っている側へ書きます。 ナイフは自分が何を切れるか事前に知りませんが、材料は自分が切れることも焼けることも叩けることも 知っています。知らない側に書かせると、汎用の物が世界中の相手を数え上げることになります。 影響の向きは原理ではなく、知識がどちらに在るかで決まります。

両方が組み合わせを知っているときは、数が増減する側へ書きます——増えたときに書き足す先が1箇所で 済み、減れば宣言も一緒に消えます。

操作の間だけ在る関係を、環境のプロパティへ写さない

焚き火は在るだけで真に環境を変えていますが、操作の関係は始まって終わります。環境へ写すと関係が 終わっても残り、キャラクタが複数居れば各自が別々に押して効果が重なります。 共通の値しか持てない ことより、静かに数値だけがずれる重複のほうが重い。「今は1体だけだから動く」を文法を決める根拠に しません。

日数と消耗は、時計を回さず宣言の集計で確かめる

「何日かかるか」「途中で尽きないか」は、自動プレイのシミュレータではなく宣言の静的な集計で 確かめます。 所要分は宣言に書いてあるので、日数も工程数も足し算で出ます。集計で出ないのは 「同時に成り立つか」の一点だけで、そこは方策を持たない台(手順書は人が書き、時計だけ回して 途中で尽きるかを見る)が要ったときに作ります。凝るべきでないのは自動プレイヤーの賢さであって、 時計を回すこと自体ではありません。 針路を選び続けられるかの類は、方策を書いた時点でその方策が 答えを決めるので、遊んで確かめる側に置きます。

後回しにするとき、あとからでは遅いものだけ今取り込む

ある機能を「今回は入れない」と決めたとき、丸ごと後回しにするのではなく、後から入れると既に 在るものを壊す部分だけを今取り込みます。 判定の軸は「要るか」でも「小さいか」でもありません。 外への形(保存したデータの並び・素材の置き場・識別子の付け方)は、後から変えると既に在るものが 全部読めなくなります。動くところまで作る必要はなく、後で足せる形になっていることを1つの実例で 確かめれば足ります。